• ひとびと
  • たたかい
  • ノート
  • おまけ
  • ルール
  • お知らせ
  • トップページ
  • 2025.11 - 2026.01
  • タタラのメモ 3

    タタラ

    「ウィシェ・ウォーマック、我が相手」


    赤熱の満ちた、色の無い空間に、声だけがある。


    「我が盗むまでの間のみ、だ」
    「それまでは如何なる者にも寛容たろう。技巧の全ての最大化を図ろう」
    「それからは如何なる者にも盗賊たろう。我に盗まれぬものはない」
    「ウィシェ・ウォーマック、盗まれるまでの怠惰を極めたまえ。汝の『世界観』が然様であればな」


    鈩の如き渦、概念の再構築が空間を熱していく。
    『魔法』が体を取り巻いていく。


    「我に奪えぬものはない」
    「精霊の使う技巧」
    「勝利の秘訣」
    「王冠の在り処」
    「そして…」
    「…我に奪えぬものはない」


    手を伸ばす。簒奪へ向けて。
    女の愉快な高笑いだけがあった。

    3

    2025-12-31 20:22:00