『PPDG』ルール&ラウンド1「チュートリアル太郎」(勝利)
『PPDG』ルール&ラウンド1「チュートリアル太郎」(勝利)

■戦況チュートリアル太郎のヴァハチュートリアル太郎のでこぴんチュートリアル太郎の約束
■バトルログ
「おれは……チュートリアル太郎だ!」
そう言うが早いか、チュートリアル太郎を名乗る無法者は警告なしの攻性呪文を放つ。
迸る青白い雷光がその掌へと集束、炎の矢と化した破壊のイメージが空気を裂き、音より早く迫る。
「下がれ、星!」
マスター・アングマールが靴のかかとを床に叩きつける――即興で編まれた防壁円が炎の矢を阻み、白熱した火花を散らす。
だが完全には止まらない。魔力流が結界を押し込み、衝撃波が石畳を剥がした。
おそらくはケンカのためだけに鍛えたのであろう、にわか仕込みそのものの雑な術構築――にもかかわらず、その圧力はアングマールの予想を遥かに超えていた。
アングマールは歯を食いしばり、結界に符線を書き足し耐える。円が軋み、回路が悲鳴を上げる――そのさまにチュートリアル太郎は思わず口の端を歪めた。
「へっへっへ、どうやらルールを知らずに来たみてえだな、魔術師先生よ」
「ルール、だと」
「技に"祈り"を乗せなきゃ意味がねえって――」
新たに形成された爆炎が結界の内側からチュートリアル太郎の炎を貫き霧散させ、そのままチュートリアル太郎の構えた右手を切り裂いて吹き飛ばし――そのはるか後方で爆ぜる。
熱を伴い到達した余波が土埃を巻き上げた。
「――なるほどな。決闘はすでに始まっているということか」
魔術を放った黒髪の少女――のような"なにか"が手をかざし佇んでいる。
アングマールが指をはじく、その一呼吸ののちに"それ"はぐにゃりと折りたたまれ、銀色の球体――本来の鏡の精霊へと姿を変えて、ふわりと漂う。
エーテルが波打つ感覚が肌を撫でる。
本来――すなわち眼前の無法者の目的が金品やただの気晴らしのたぐいであれば、決着はついている。
だがアングマールと星は警戒を解かず、継戦の意思を見透かされたことを悟るとチュートリアル太郎は笑った。
「……いいね。ここからは応用編だ」
次の瞬間、彼の姿がぶれる。踏み込み――否、消失に近い加速。石畳が砕ける音が一拍遅れて響いた。
「格闘だ、星!」
忠告は半歩遅れた。すでにチュートリアル太郎は星新二の懐にいる。左拳が翻り、喉元を狙う――だが、
ガン、と乾いた金属音。
星新二は錫杖を水平に差し込み、掌を添えて受け止めていた。衝撃が腕を駆け上がり、骨が軋む。
「傷を診よう。拳を下ろし、座れ」
「抜かせ!」
星は足を引かない。錫杖を軸に回し受け、拳を逸らす――チュートリアル太郎の舌打ち――蹴りへ移り、半回転蹴り――「力よ、萎えよ」――その威力を短い加護の祈りが散らし、さらなる右拳――のように見えた構えは実際には右肘打ち。
連撃。
常人には"見えない"速度の打撃が、雨のように降り注ぎ錫杖を鳴らせる。星新二は後退しながらも、すべてを受け、いなし、角度を殺す。その速度はいつしかチュートリアル太郎が放つ打撃の速度を上回り――
星が攻撃に転じた。
チュートリアル太郎がひとつ打ち込むごとに星がふたつ――いや、三つ、四つ。
錫杖が描く軌道は円ではなく、螺旋だった。受けの延長にあるはずの所作が、いつしか踏み込みと同義になる。
チュートリアル太郎は拳で捌き、肘で受け、膝で距離を測るが、星の錫杖はその"守りの手順"を先読みするかのように先へ先へと差し込まれる。
「クソッ!なんで――」
チュートリアル太郎がここで明確に足を止めたのは、己の劣勢を認識したためばかりではない。
――なんで奴の姿がペンギンに見えやがるんだ?――
「――どうした、チュートリアル太郎」
星が錫杖を振るう残像を目で捉えようとするたびその輪郭がぶれる。
どうしたわけか大型のペンギンが勝鬨を挙げる幻覚と幻聴――星もアングマールも妨害術を行使した様子はない。
……幻覚でも、幻聴でもないとしたら?
顎を狙う横薙ぎにガードを上げたチュートリアル太郎の――
「――そういうことかよ」
鳩尾に、柄尻――。
フェイントからの二段付きが突き刺さった。
チュートリアル太郎は守りを放棄、突くに任せて直撃を受け、
「掴まえたぜ……降霊の焦点を、な」
錫杖の柄を掴んでいる。
呼吸の残滓を振り絞る――筋肉が膨れ、魔力が腕に集中する。
「折ってやる!」
その制止が果たして星が発したものなのか、あるいはチュートリアル太郎自身の内なる声か、それとも超常的な何者かだったのは定かではない。
握力という原始的な力に、呪的な増幅が重なり、錫杖が軋む。
錫杖を折るために込められた力は逃げ場を失い、逆流する。
ぱきん、
乾いた、細長い木片を二つに割るような音とともにチュートリアル太郎の意識は暗転した。
そして、
「ウォーッ!星新二ッ」
チュートリアル太郎は闘志を燃やし、血走った目をあらわに瞼を開く。
――その先に、天井があった。
天井だと?
ところどころに海の光が反射してゆらゆらと揺れ、壁の向こうからはかすかな波の音が届いてくる。
「アングマールッッ」
――クソッ、声が、いつもの半分しか出ねェ。
それだけではない。
体を起こそうとしてチュートリアル太郎は初めて違和感を――つぎにこみ上げてくる戦慄を覚えた。
その身体は、まっぷたつであった。
左右の半身のちょうど真ん中、頭頂から股までが分断されている。
身体に触れようとすれば左腕と左足だけが動く。そして右半分は……無い。
チュートリアル太郎はすぐ来るであろう激痛を予感したが――それが訪れることはなかった。
不思議なことに出血もないようだ。
祭器の祟りによって裂かれたのであろうささくれた断面であったが、傷口の表面は石のように固く、しかし温かな物質が盛り上がるように覆われており、チュートリアル太郎にはそれがかすかに脈打つのが分かった。
この奇妙な石の膜が命を繋ぎ止めたのか。
チュートリアル太郎は鼻を一つ鳴らすと、胡乱げに周囲に視線を走らせる。
(どこだ?)
小さなベッド。古い棚には包帯と瓶。青い海がレースのカーテン越しの窓から覗く。
海沿いの、診療所――。
その看板にはかすれ、剥げかけたペンキで「約束」とだけある。
人の気配は無い。
「出てこいコラ!ナメてんじゃねえぞッ」
穏やかな波の音だけがそこにあった。
――いや、なにかが床の隅に転がっている。
バッジか、カードか、ともかく遠目には薄く小さななにかであることだけが分かるそれにチュートリアル太郎がにじり寄る。
なんだ、折り紙か――それは色とりどりの紙で折られた蛇と人。獰猛に首をもたげ、噛り付いた人間を丸呑みにせんと牙を剥いている。
小半時ほど床を這って探したが、結局人がいた証拠と呼べるものはそのほかには見当たらなかった。
「丸腰の命を忘れるな。牙と爪を研ぎ、獣道をゆけ」
折り紙の蛇だけがそう主張――しているかは別として、壁に背を預け休むチュートリアル太郎はそのように受け止めた。
『お前には、まだ闘志は残っているか?』
静謐な安らぎに満ちたこの地にあって、なお誰かが灯した心の残火がそう問いかける。
チュートリアル太郎はふと自分の体を見下ろす。
「おれのもう半分は、どこへ行った? きっと右側のおれも、どこかでケンカに明け暮れてるはずだ」
――加勢に行かなきゃならねえ。
玄関を這い、壁に立てかけてあった杖を手に取る。誰のものかは分からいが、半身の体にはちょうどよい支えとなった。
チュートリアル太郎は折り紙の蛇を手に取るとそっとポケットに入れ、
入れようとした。
入れようとしたが……、
――結局、そのまま置いてゆくことにした。
ここにあって然るべきだと、なぜかそう感じたからだ。
診療所の扉を開けると、にわかに波の音が賑やかになった。
陽を受けてきらめく海と、長い道が見える。
まず、足元を確かめて、次に道を選んで、最後に……もう半分を見つけるのだ。
おれはもともと「次に何をすればいいか」を探すのが役割だったのだから。
かくしてまっぷたつのチュートリアル太郎は、失われたもう半身を探す旅に出たのだった。
彼はきっと道中で多くを学び、新たなチュートリアルを人々に示すことだろう!
はじまり、はじまり。
(ラウンド1 勝利)
■ルール(随時追記、変更)
・アングマールと星がピンチだ!皆の力で二人を応援して!(コメント投稿。各ラウンドの個別ノートへ願います)
フォーマット:キャラ名※のアイテム名(URL)
※自分が権利を有するキャラクターであること。本ゲーム外キャラの場合参照用URLを張ってくれると嬉しい。
・私(PPDGオーナー)がそのコメントによってどんなアクションが行われたかバトルログに描写し、相手が所有するアイテムを1枚破壊する。
・敵が持つすべてのアイテムを破壊した場合、勝利。次ラウンドへ進む。
・1ラウンドあたり同一キャラの有効打は1コメント限定。(ラウンドを跨げば再び有効とする)
・↑ただし複数コメントは連撃扱いで描写(するかも。タイミング的に拾えれば)。
・**秘匿ルール** 最終ラウンド開始時公開。
■経緯(ChatGPT外部リンク。長いので読まなくてOK)
https://chatgpt.com/share/68b6a628-31dc-8006-9d70-5f0c07399845
■経緯の経緯(Pixiv外部リンク。長いので読まなくてOK)
https://www.pixiv.net/novel/series/12780866
■経緯の経緯の経緯(Pixiv外部リンク。長いので読まなくてOK)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16871204