タタラのメモ 2
タタラのメモ 2
見晴らしのいい崖の上に、声が揺蕩っていた。
「灰髪のおなごと話をした。この星の"王"について整理するために話し相手が欲しかったので、丁度良かった。姉に似ているだとかでいやに警戒をされたが…」
「歩練戦祭とかいう、また別の星の下とも繋がって、この星は成っているらしい。…珍妙な事だ。どうせ真っ平な地なんだろう?」
「精霊や分身、猛毒や火傷といった要素について確認が出来た。我の持つ情報と交換になったが、まあ、良い」
「"王"と"魔女"の示した模擬戦闘によって確認出来た基礎的な事を列挙しよう」
「ひとつ、HPとやらはゼロ以下でも問題なく活動できる」
「ひとつ、『自由』である事の自由さは真に高い。傷も争いもコレ一つで差し戻せる」
「ひとつ、未だ我の…否、我々参加者の誰しも知らないフラグメントが『夢オチの魔女』によって用いられた。あれらの技はなんだ。魔女の魔法か? 願いの類か? 未だ探りを入れられる範囲かと思う」
衣服らしき薄布が、風にはためく音が響く。
「『レリジョン』…信奉するもの」
「三種の色にのみ依るなんて、と灰髪は述べていたが」
「我が簒奪を願う星は………」
風だけがある。
あとは、何もない。