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  • 2025.11 - 2026.01
  • 『PPDG』ラウンド2「ミリ田マイク郎&忌野六文斎」(勝利)

    PPDG




    ■追加ルール札
    忌野六文斎甘言
     AM2:00-AM6:00までのコメントを自陣行動札として奪取。皆早く寝よう!
     このルール札は効果を発揮したとき破壊される。
    ミリ田マイク郎クリティカル祭り
     このキャラクターが所有する「☆」行動札の破壊には連撃※もしくは2枚の行動札を要する。
     ※同一キャラクター指定、別アクションの連続コメント

    ■戦況
    ミリ田マイク郎☆銃0/2
    忌野六文斎会社の株過半数
    ミリ田マイク郎☆拳圧弾0/2
    忌野六文斎白紙契約の呪い

    ■バトルログ

    「来ちまったのか、アングマール(センセイ)

    ミリ田マイク郎は立ち上がり、埃を払うと左右のホルスターに納められた銃に手を伸ばす。

    「ミリ田――」

    抜き、
    撃ち、さらに撃った。
    弾丸が穿ったのはアングマールの心臓と脳幹、明らかな致命傷(クリティカルヒット)であった。
    破裂音の残響と硝煙が通り抜け、アングマールは言葉もなく膝を折る。
    倒れ、伏した彼のその腕が石畳に横たわると、爪先が砂粒のように崩れ――。

    跳ね上がった

    突きの一閃がミリ田の喉があった空間を切り、数本の髪が散る。

    アングマール(センセイ)、あんたの化かしはタネが割れてンだよッ」

    の間合いから跳んで退くさなか二発装填。回転式拳銃のシリンダーがかちりと噛み合う。
    ミリ田の視線の先で手が、腕が、胴体が歪み、アングマール(アナザーマインド)の体躯が一回り膨れ上がる。
    精霊が再構成した戦士の風貌からは一見して不穏な空気が漂う。
    黒塗りの仮面に覆われたその表情を伺い知ることはできず、身に纏った紫の外套から覗く痩せた腕や脚。それは糸を思わせるほど華奢でありながら、長大な剣を軽々と掲げていた。
    その刃は月光を浴びて鈍く輝き、まるで夜の闇を切り裂くためのもののように見えた。紫の外套が風もないのに微かに揺れ、仮面の下から漏れる息遣いが、冷たい空気を震わせる。


    開放:まどう剣士心眼


    「その呪い(ざま)はなんだ、ミリ田」

    本物のアングマールが路地の陰から姿を現した。
    その目は"鏡の眼"越しにミリ田の心臓に刻まれた呪詛を捉えている――値踏みするかのように。

    「許してもらおうなんて思っちゃいねえさ」

    ミリ田は瞑目し一つ息を吐く――目の前に立っているはずの彼の気配が急速に遠ざかる。
    認識阻害(スカイフィッシュ)の行使がアングマールの眼に写るミリ田の姿を、意識外へと追いやった。
    "潜航"、完了。
    照準の先をアングマールの喉に結ぶ。どれほどの達人であろうと死角――異能から作り出されたものでも――からの攻撃には反応できない。
    かつての仲間を撃つこの瞬間に至ってもミリ田の心は静かに凪いでおり、そのためであろう、斬撃への対処に間に合った。
    鏡の"剣士"の横薙ぎから身を躱し――回転拳銃をはじき落とされながらも反射的に身を沈め、地を転がり――、
    左腰の自動拳銃を抜きざまに、撃った。
    乾いた連射音。


    開放:まどう剣士ヴァハ


    だが、弾丸は届かない。
    鏡の剣士は一歩も動かず、ただ構えた剣の柄頭を指先でなぞっただけだった。にもかかわらず、銃口から放たれた弾道のはるか手前で見えない斬線が走る。
    ――遠当て。
    閃熱が弾丸を、そしてそれを放った機構ごと断ち切る――同時に鏡の剣士は手首を、剣先を翻す。
    返す焔刃がさらに一条、ミリ田の左肩から胴へ袈裟懸けに流れた。
    肉を断つ感触、焼ける痛み。
    拳銃は銃身から真二つに割れ、火花を撒き散らしながら路地に転がる。切断面は熱を帯び赤く縁取られていた。
    ミリ田は歯を食いしばり、反射的に後退するが――

    「へ、へ。呪い(しんぞう)は視えた……ってところか」

    倒れない。
    外套とジャケットのみが裂けその下から金属光沢が覗く。
    鎖帷子――その一つ一つの環に符号が刻まれていた――は剣圧に削がれながらも、赤熱を散らし傷を浅手に留めていた。
    石畳に転がった鎖の断片を一瞥したのち、アングマールは低く告げた。

    「選べ。ここで退くか、武装を失ってなおまだ私に挑むか」

    ***

    開放:彼誰鳥恐るべきついばみ

    怪鳥、有価証券をついばむ
    星間貿易企業役員が被害


    【軌道市発】本日未明、ソル・シティ中心部の高層居住区で正体不明の怪鳥が民家に侵入し、有価証券をついばむという前代未聞の被害が確認された。被害に遭ったのは星間貿易企業の役員、忌野六文斎(いまわのろくもんさい)氏(70)。
    市警によると午前4時ごろ、忌野氏の自宅書斎に設置された耐火保管庫が開放された直後、翼幅およそ2メートルに及ぶ鳥類とみられる生物が侵入。株券、社債証書、航路権を裏付ける有価証券の一部を嘴で破損し、数点を飲み込むような行動を取ったという。現場には羽毛状の繊維片と、かじられた証書の断片が散乱していた。
    忌野氏は「金品を狙う強盗ではなく、紙そのものに執着しているように見えた。有価証券だけを選別してついばんでいた」と語る。被害総額は現在精査中だが、企業関係者によれば「実体のある株券や古い証書が中心で、電子化された権利には影響がない可能性が高い」という。
    市警と生態研究局は合同で調査班を設置。怪鳥は高重力環境でも飛翔可能な筋肉構造を持つ可能性があり、過去に報告のない種か、あるいは改変生物の可能性も否定できないとしている。周辺住民には、重要書類の保管を強化するとともに、夜間の開放行為を控えるよう注意喚起が出された。
    なお、忌野氏が役員を務める星間貿易企業は、「被害の有無にかかわらず、権利関係は適法に保全される」との声明を発表。市当局は、同様の被害が連続発生する恐れがあるとして、警戒を強めている。

    ***

    怪鳥、電子化された有価証券をついばむ
    星間貿易企業役員に再び被害


    【軌道市発】先日、「怪鳥が有価証券をついばむ」という前代未聞の被害が報じられた件で、同一個体とみられる怪鳥が電子化された有価証券にも被害を及ぼしていたことが、新たに分かった。被害者はいずれも、星間貿易企業役員の忌野六文斎(70)氏である。
    市警および情報庁の発表によると、忌野氏の自宅に設置された私設量子端末が、未明に外部から物理的・電磁的干渉を受け、保有株式や社債の電子データの一部に改変・欠損が生じた。防犯カメラには、前回と同様の怪鳥が端末上部に止まり、発光する表示部や通信ポートを嘴でつつく様子が映っていたという。
    情報庁関係者は、「怪鳥は単なる紙媒体ではなく、権利を表象する情報そのものに反応している可能性がある」と指摘。量子署名や分散台帳の一部に一時的な不整合が発生したものの、バックアップにより権利関係そのものは保全されたとしている。
    生態研究局は、怪鳥が高度な知覚能力を持ち、価値や権利といった抽象概念に反応する未知の生物である可能性を視野に入れ、専門家会合を招集。市当局は当面の間、重要な電子資産を扱う施設に対し物理的防護だけでなく、生体干渉を想定した新たなセキュリティ対策を求めている。
    怪鳥の正体はいまだ不明のままで、被害は拡大する兆しを見せている。

    ***

    市警の捜査で忌野六文斎氏の重大犯罪記録発覚
    武器密輸・人身売買・資金洗浄の疑い


    【軌道市発】怪鳥による一連の不可解な被害をめぐる市警の捜査が急展開を見せた。被害者として報じられてきた星間貿易企業役員、忌野六文斎(70)氏の関係先から、武器密輸、人身売買、資金洗浄に関与したとみられる詳細な記録が発見されたことが分かった。
    市警によると、怪鳥事件の被害確認のため忌野氏の自宅端末および関連倉庫のデータ保全を進めていたところ、暗号化された取引ログと裏帳簿が見つかった。解析の結果、星間航路を利用した違法兵器の移送、人身売買ネットワークへの資金供与、さらにそれらの収益を複数のペーパーカンパニーと分散台帳を経由して洗浄していた形跡が確認されたという。
    押収資料には、忌野氏自身の電子署名と一致する認証痕跡が多数含まれており、市警幹部は「偶発的な関与ではなく、長期間にわたる組織的犯罪の可能性が高い」と述べた。被害額・被害人数については現在精査中だが、影響は複数の星系に及ぶとみられている。
    一方、これまで注目を集めていた怪鳥との関連について、市警は「怪鳥事件が捜査の端緒となったのは事実だが、両者の因果関係は現時点では不明」と慎重な姿勢を示している。ただし、忌野氏の不正資産が有価証券や電子権利の形で集中的に管理されていた点は、怪鳥の行動と奇妙な符合を見せている。
    忌野氏が役員を務める星間貿易企業は緊急声明を発表し、「当該行為は個人によるものであり、企業として一切関与していない。事実関係の解明に全面的に協力する」とコメントした。市警は今後、国際捜査機関と連携し、忌野氏の身柄確保と関係者の洗い出しを進める方針だ。
    一連の事件は、怪鳥という不可解な存在から始まり、星間規模の闇取引へと波及した。市民の間では、「怪鳥は単なる脅威だったのか、それとも何かを暴く引き金だったのか」と憶測が広がっている。

    ***

    忌野六文斎の身体は、崩壊の直前まで「人」の輪郭を保っていた。
    それは血肉ではなく、帳簿の行間に潜む符号、約定と決済の反復が紡いだ脈動――証券取引を回路とする疑似生命だった。

    「……星新二」

    星新二は一歩引いた位置でその最期を見届けている。
    星の追跡は長く、執拗で、そして静かだった。彼は知っている。六文斎の肉体が失われたのは何年も前のことだということを。
    残っていたのは、価値と価値を交換するたびに更新される「存在の残高」だけだ。

    「貴方も、追われる側になりましたね」

    六文斎の声は老いていなかった。
    人だった頃の肉体を失う以前、硝煙寺銃蔵を名乗っていた時代の調子で発せられている。
    星は答えない。
    捜査の過程で彼が踏み越えた規範――星士に許されるはずのない裏取引、独断での墓所への干渉、魔獣の利用――そして、祈り手の冒涜。
    それらはすでに星間教会の記録に罪状として刻まれている。
    ――怪鳥が羽音もなく降り立つ。
    それは紙も情報も区別しない嘴を持ち、価値の凝集点を嗅ぎ分けるように、空間の歪みへと首を伸ばした。六文斎の胸部に刻まれた仮想台帳が、最後の清算を迎える。
    ぱきり、と音がした。
    株式番号が断裂し、債権が失効し、循環していた魔術回路が連鎖的に破綻する。エーテルで編まれた皮膚は細かな粒子となって剥がれ落ち、彼の顔に浮かんでいた安堵とも後悔ともつかぬ表情は、数値の崩れとともに消えた。

    「末期の言葉があるなら聞こう」

    星はそれだけを告げる。裁きではなく、確認だ。

    「では……一つ忠告を。貴方と、私の祈り手は同じです」

    同じ、とは……?
    星がわずかに眉を動かす。その訝しむ視線を受け、六文斎は愉快そうに続けた。

    「ふふ、貴方に分からずとも、他の祈り手たちには自明のことですが――」

    六文斎は、崩れゆく声で明かす。

    秘密結社《イエスタデイ・ワンスモア》は、
    ひとつの祈りから生じた巨大な右手と左手。
    一方は破壊と混沌を司り、
    もう一方は調停と秩序を司る。
    そして、その相克と律動を――
    中枢が、ただ冷静に記録する。

    それが、あの組織の正体だったのだと。

    「――ならば」

    六文斎の声がかすかに震える。

    「その祈り手を信奉する教会の教えに、果たして正義は存在したのでしょうか?」

    エーテルの波が乱れ、彼の輪郭が崩れ始める。

    「貴方が追ってきた私と、これから追われる貴方の違いは……
     結局、勘定の符号が違うだけだ」

    声は断続的になり、もはや囁きに近い。

    「どうか――貴方が次に立つ場所が、
     清算される側の帳簿でないことを」

    それは呪いではなく、かつて同じ祈りの下に立った者への最後の忠告。
    残響はそこで途切れ、完全に消えた。

    星新二は深く息を吐く。
    それで終わりだった。
    星間教会の星士としての最後の仕事は、確かに果たされた。
    彼は胸元に手をやり、徽章を外す。
    磨かれた金属に刻まれた紋章――星士の印。
    それを、植え込みの陰へと静かに置いた。
    星は振り返らない。
    啓蒙の光が照らし得ぬ深淵へ、ただ歩き出すその背後で、怪鳥が音もなく舞い降りた。
    徽章をひとつ、嘴でついばむ。
    役割の残滓だけを確かめるように。
    そして怪鳥は、もはや関心を失ったかのように翼を広げ、
    夜と深淵の境界へ溶けるように飛び去っていった。

    ***

    撤退か、抗戦か。
    「お前を殺したくない」と、暗にそう告げるアングマールの慈悲をミリ田は決して汲み取らなかったわけではない。
    彼が武装を失い、戦いにおいて極めて不利な状況に置かれたことも疑いようのない事実だった。
    格闘(でこぴん)
    これがミリ田に残された最後の武器であり、彼はこれをもって応えた。
    構え、跳躍――大した速度ではない。
    膂力も手数もさきほどの相手(チュートリアル)とは比べるべくもない。
    しかし、にもかかわらず――アングマールはその対処に手を焼いていた。
    無駄がない。
    予兆がない。
    そして、躊躇がない。
    ミリ田の打撃は、ただ鋭かったのだ。
    踏み込みは浅く、拳は短い。それでいて、アングマールの守りの足さばきを縫うように追い、呪文の熾りを先んじて潰し、鏡の剣士との間合いをあえて詰める
    ミリ田の戦術判断は、冷静で、現実的で、そして――
    まぎれもなくガンマンのそれだった。

    ――偏差打ち(フォーカスでこぴん)

    詠唱に入ろうとした瞬間、拳が飛ぶ。
    詠唱を切り、間合いを取ろうとすれば、踏み込みが追ってくる。
    鏡の戦士が剣を振るえば、あえて半拍遅らせてかわし、斬線の"外"ではなく"内"へ滑り込む――そこが剣が最も扱いづらい距離だ。
    そして、"詰め"(フィニッシュブロー)の間合いでもある。

    「「鏡よ!」」

    アングマールの声が"ぶれ"、左脇腹を捉えたミリ田の拳は空を切る。
    踏み込みは短く、速い。
    だがミリ田の偏差打ちが予見した"はず"の位置に、アングマールはいなかった。
    偏差打ち(フォーカス)を欺くほどの急加速。

    開放:ゆきやっこんこ石油ストーブ

    (外しただと!?)

    視界の端で、鏡の精霊はその姿を変えている。
    銀の球体をほどき、折り畳み、花弁のように再構成され展開した面が互いに噛み合い、雪の結晶を思わせる透き通った幾何学的立体へと。
    およそ一見して生物とは呼び難い鏡の"結晶体"は、稜線に淡い光を宿している。
    それは炎の色だった。だが、燃え広がる熱ではない。強化のビジョン――運動を先取りし、肉体の可能性を"予見"として与える魔術が、アングマールの膝からつま先までを覆い外部回路を形成している。

    自己強化(バフ)か!)

    時間にして瞬きほどの一瞬。
    回避のため加速し跳躍したアングマールの着地点を、ミリ田のフォーカスは寸分違わず捉え直す。
    距離、約五メートル。近接を避けたその位置は、確かに呪文(アングマール)の間合い――だが、

    ――(おれ)のほうが速い。

    左手を開き、その中身を放る。
    宙に躍る、短く太い弾丸。信管付き――本来は銃で撃ち出される代物だ。
    ミリ田は視線を逸らさない。
    アングマールを真正面に据え、拳を握り込み――

    打った。

    拳が、弾丸の芯を正確に叩く。
    瞬間、炸薬が爆ぜる。
    銃身はない。照準器もない。
    だが代わりに、鍛え上げられた肉体と魔術で強化された打撃が、爆圧に明確な指向性を与えた。
    爆風は散らず、押し固められ、弾頭は"撃ち出される"。
    殴って放つ弾丸(TeaCupMoon)の射線に沿って空気が灼ける。
    追随する衝撃波に周囲の建物が遅れて悲鳴を上げた。外壁が歪み、梁が耐えきれず折れ、屋根がずれる。連鎖的な倒壊が路地を呑み込み、瓦礫と土埃が夜気を引き裂く。

    視界が消えた。

    ――だが。
    土埃の奥で、割れるはずのものが割れなかった。

    鏡の結晶体は崩壊していない。
    幾何学的な稜線が爆圧を受け流し、面ごとに反射、偏向している。
    崩壊の中心にいるはずのアングマールの気配には確かに届いた感覚がある。
    殺し切れなかったのだ

    ためらいはない。
    即座に第二射を構える。フォーカス――本来は、このための技だ。
    煙の向こうに見えない敵の存在の輪郭だけを、思考で結ぶ。

    瓦礫が崩れ落ちる音の"間"を読む。
    熱の揺らぎ。
    結晶体が反射する炎の残光。

    ――そこだ。

    だが、狙いは"眼前"に迫っていた。
    土埃の中から、一歩。
    アングマールの踏み込みは大きくない。
    加速も、派手な魔力放出もない。
    その指先に、小さな火が灯る。

    「戻ってこい、ミリ田」

    開放:ゆきやっこんこマッチ

    マッチの先ほどの、心許ない炎。風が吹けば消えそうなあまりに弱々しい、しかし暖かな――、
    アングマールの掌がミリ田の胸に触れる。
    それは傷を癒し、邪悪を焼き清める回復術
    力が流れ込んでゆく。
    命を在るべき場所へと繋ぎ止める活力の炎が、鎖帷子による抵抗を受けることなくミリ田の身体の深部へと浸透――心臓に刻まれた結社との契約の呪いに食い込んだ。

    ***

    「――で、ボクを頼って来たってわけか?」

    星と対面した「名」(ネームホルダー)はあきれ顔を隠すそぶりもない。
    美術品を保護するための光度を絞った薄明りの中、布で保護されたキャンバスや彫像がまばらに並ぶ倉庫に星とネームホルダーはいた。

    画商(ボク)を呪術医かなにかだとでも?」

    二人の前には仰向けに寝かされたミリ田。
    胸は上下している。呼吸はある。
    だが、呪詛と治癒が相克し合った反作用――その衝撃が彼の意識を叩き落とし、ミリ田の感覚は深く沈み込んだまま、瞼はぴくりとも動かない。

    「謙遜を」

    星は語る。
    結社の呪いの契約が、いかなる性質のものであるかを。
    ミリ田の心臓の奥に絡みつく呪詛は、外から押しつけられたものではない。
    彼自身が"受け入れた"契約。覚悟と引き換えに刻まれたもの。
    そして、それは除去しきれてはいない――一本だけでは。

    「アングマールによれば創世の結界を破った画商、と」

    星はネームホルダーが指先で弄んでいるマッチ箱を示して言う。
    バカ言え、とネームホルダーは前置きし、鼻で笑った。

    「坊さんの頼みを無碍にするほど不敬虔なつもりじゃあないさ――どういうわけかテロリストに協力してるおたずね者の坊さんでも」

    ただ――
    そう、ネームホルダーは言葉を区切って強調する。

    「きみにはまず説明する義務があると思うが」

    彼女が差し出したのは端末だった。
    そこには大規模破壊魔術が不正使用された結果、巨大小惑星が軌道を変え、都市(ここ)への落下軌道上に入ったこと。
    捜査網が敷かれ、逃走中の重要参考人――星新二を追っているというニュース記事が表示されている。

    「固有詠唱パターンはきみのものと一致したそうだ。完全にね。本当にきみの仕業なのか?」

    「そうだ。だが私の意思ではない」

    「じゃあなぜそれを説明しない?」

    「そうするには時間がない」

    星の簡潔すぎる回答に、ネームホルダーはわずかに眉を上げた。
    少なくとも――星に残された時間が少なく、誤解なく対話しようとしている。
    彼女は、そう察した。

    「……誰の意思だと?」

    星は、ここで初めて言葉に詰まる。

    「……祈り手だ」

    やはり、駆け引きの響きはない。
    だが、しかし――

    「まず、きみが正気かどうかを疑うべきだったな」

    開放:マッチを擦る

    ネームホルダーは、ひとつ短いため息を吐いた。
    マッチ箱から取り出した二本のうち、一本を星の手に握らせる。

    「持って行け。異能の弾丸で射られた(アングマールの)傷にはまだ必要だろう」

    「……感謝する」

    そして、残るもう一本を側薬に当てる。
    擦り、点火した。
    燃焼とともに、リンの焦げる匂いが立ち込める。
    ネームホルダーがその火を握り込むと、空気がわずかに歪み、指の隙間から漏れる光彩が変質した。
    柔らかな光は、マッチの先を離れ、彼女の掌の内に留まる。
    彼女はそれを、ゆっくりとミリ田の胸へ当てる。
    わずかな反発。
    それを残して呪いは霧散し、
    命の熱がミリ田の心臓へと結び直され――脈動が、確かに戻った。

    (ラウンド2 勝利)

    ■ルール(随時追記、変更)
    ・アングマールと星がピンチだ!皆の力で二人を応援して!(コメント投稿。各ラウンドの個別ノートへ願います)
      フォーマット:キャラ名※アイテム名(URL)
      ※自分が権利を有するキャラクターであること。本ゲーム外キャラの場合参照用URLを張ってくれると嬉しい。
    ・私(PPDGオーナー)がそのコメントによってどんなアクションが行われたかバトルログに描写し、相手が所有するアイテムを1枚破壊する。
    ・敵が持つすべてのアイテムを破壊した場合、勝利。次ラウンドへ進む。
    ・1ラウンドあたり同一キャラの有効打は1コメント限定。(ラウンドを跨げば再び有効とする)
    ・↑ただし複数コメントは連撃扱いで描写(するかも。タイミング的に拾えれば)。
    ・**秘匿ルール** 最終ラウンド開始時公開。

    ■経緯(ChatGPT外部リンク。長いので読まなくてOK)
    https://chatgpt.com/share/68b6a628-31dc-8006-9d70-5f0c07399845

    ■経緯の経緯(Pixiv外部リンク。長いので読まなくてOK)
    https://www.pixiv.net/novel/series/12780866

    ■経緯の経緯の経緯(Pixiv外部リンク。長いので読まなくてOK)
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16871204

    10

    2026-01-03 02:41:33